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ウクライン療法

植物由来抗がん剤「ウクライン」によるガン治療について

ウクラインはオーストリアのウィーンに本社のあるNowicky Pharma社で製造され、これまでに22カ国、58研究機関で研究、約200編の科学論文が発表されている植物由来の抗がん剤です。ウクラインはクサノオウ(ケシ科の越年草)から抽出した成分とチオテパという化学療法剤を結合させた薬剤で、点滴または静脈注射で投与します。現在は欧州の一部、メキシコ、アラブ首長国連邦など9カ国で抗がん剤として認可されています。また、米国とオーストラリアでは膵臓ガンに対する希少疾病用医薬品として認可されています。日本では未承認医薬品です。点滴で投与されたウクラインは数分後にがん細胞だけに取り込まれます。投与許容量が通常の抗がん剤が1.4~1.8に対してウクラインは1250と高いので、副作用はほとんどありません。また、低用量の投与で免疫力を活性化します。

 

 

 

ウクラインのがんに対する作用機序

米国立がん研究所はウクライン(NSC631570)が60種類の様々ながん細胞を殺す作用があることを報告しています。ウクラインの抗がん作用の機序について、(1)チューブリンの重合を阻害、(2)DNA, RNA の蛋白合成阻害、(3)がん細胞分裂をG2/M期で停止、(4)血管新生阻害作用などが報告されています。

ウクラインの臨床成績について

(1)ドイツのVilla Medica Clinicにおけるウクライン療法の成績
この20年間にドイツや東欧を中心に多数の臨床論文が発表されています。

がんの種類 症例数 完全寛解率(%) 部分寛解率(%) 無効(%)
大腸がん 31 16.1 71 12.9
乳がん 25 28 64 8
前立腺癌 20 70 25 5
小細胞性肺がん 8 12.5 75 12.5
ユーイング肉腫 7 57.1 42.9 0
骨肉腫 7 0 71.5 28.5
印冠細胞がん 7 0 85.7 14.3
膵臓がん 7 0 85.7 14.3
胃がん 6 16.6 66.6 16.6
扁平上皮がん 6 0 83.3 16.6
胆嚢がん 6 0 100 0
神経芽細胞腫 5 60 20 20
卵巣がん 5 20 80 0
精巣腫瘍 4 75 25 0
腎芽腫 4 0 25 75
膠芽腫(脳) 4 0 75 25
肺腺がん 4 0 50 50
子宮がん 4 0 100 0
悪性黒色腫 4 0 75 25
星状細胞腫(脳) 3 33.3 33.3 33.3
原発不明がん 3 33.3 66.6 0
横紋筋肉腫 3 0 33.3 66.6
髄芽腫(脳) 3 0 66.6 33.3
非ホジキンリンパ腫 3 0 66.6 33.3
その他 25 0 48 52
203人 20.2% 60.1% 19.7%

Aschhoff B: Retrospective study of Ukrain treatment in 203 patients with advanced-stage tumors. Drugs Exp Clin Res. 2000;26(5-6):249-52.

(2)前立腺癌におけるウクライン療法の成績
ドイツのVilla Medica Clinicでは完全寛解率が73%と非常によい成績です。全ての前立腺癌の患者は標準治療(手術・ホルモン療法・放射線)が無効で、癌が再発あるいは進行し、選択すべき治療法がないと診断されています。患者はウクラインと局所温熱療法の併用を行っています。

患者数 完全寛解率(%) 部分寛解率(%) 無効(%)
74 54 16 4
100% 73% 22% 5%

Aschhoff B: Kombinationstherapie mit Ukrain und Tiefenhyperthermie. Krebs-Journal 2003(3):22-26.

(3) その他
ドイツのウール大学、ウクライナのキエフ大学では手術不能の膵臓がん患者の生存期間の延長、キエフ大学とドニエツクがんセンターでは結腸がん患者の術後2年再発率が半分となり、21ヶ月生存率は2倍になったと報告しています。そのほかにも多くの臨床報告があります。

この治療法が適している方とは

ウクライン療法が適応となるのは(1) 標準的ガン治療が無効の場合、(2) 標準的ガン治療の効果をより確実にする、(3) 代替治療を希望する場合などです。有効な抗ガン剤と併用することができます。この治療が有効なガンの種類についてはまだ研究段階ですが、これまでに結腸・直腸がん、乳がん、膀胱がん、前立腺がん、卵巣がん、子宮頚がん、子宮体がん、口腔がん、小細胞性肺がん、非小細胞性肺がん、頭頚部がん、精巣がん、様々な肉腫、悪性黒色腫、悪性リンパ腫で有効であったと臨床研究論文あるいは事例で報告されています。

副作用について

ほとんど副作用はありません。点滴が皮下に漏れても、他の抗がん剤のような炎症や壊死を起こしません。時に吐き気、倦怠感、発熱、腫瘍痛が生じることがあります。このような症状は腫瘍の壊死に伴う反応であると言われています。

ウクライン療法の実際

ウクラインの点滴は15分程度で終了します。ウクラインだけで治療する場合もありますが、ビタミンC点滴療法を併用すると効果が高いと言われています。1回の点滴にウクラインを4本使用します。週2~3回のペースで合計10回の投与を1クール(30~40本)とし、有効であれば2クール目、または投与回数を減らして継続します。

治療費について

オーストリアからの輸入価格はウクライン1本が1万2千円~1万6千円です。1回に4本使用し、点滴料金は手技料を含めて6万~7万円前後、1クールで60万~70万円です。詳細はクリニックに直接お問い合わせください